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社長が見る数字と、現場が見る数字はなぜズレるのか

こんにちは、コマルです。「AIを入れてから、経費も件数も数字は良くなっているのに、現場からは『前より大変になった』という声が上がる」——最近、こんな相談を続けて受けました。数字だけ見れば成功しているはずなのに、現場の空気はなぜか晴れない。今回は、この「数字のズレ」がなぜ起きるのかを、社長の物差しと現場の物差しの違いから整理します。どちらかが間違っているという話ではありません。物知り猫のタイガーと、心配性のマルが、両方の言い分を確かめます。

そもそも、見ている「数字」が違う

こういう相談を受けると、まず経営側の資料を見せてもらいます。件数は増え、処理にかかるコストも下がっている。数字だけ見れば、誰がどう見ても順調です。それなのに、同じ会社の現場に話を聞くと、表情は晴れません。この食い違いの正体を探ると、たいてい行き着くのは「そもそも2人が違うものを数えている」という話でした。

マル

数字が良くなってるなら、それでいいじゃない。なんで現場は不満なの?

タイガー

それがね、社長と現場、実はそもそも別のものを数えているんだ。社長が見るのは、投資した分がお金や件数として返ってきているか。表やグラフにしやすい数字だね。

マル

じゃあ現場は?

タイガー

現場が見ているのは「今日の仕事が楽になったか」「新しい面倒が増えていないか」という体感。これは表にしにくい。だから同じ会社の同じAIの話をしていても、2人はまったく別の物差しで測っていることになる。

社長が見る物差し

  • 投資が回収できているか
  • 件数・処理時間の合計
  • コストの増減

お金・件数など、表にしやすい

現場が見る物差し

  • 今日の仕事が楽になったか
  • 新しい面倒が増えていないか
  • 確認作業の負担

体感・気持ちなど、表にしにくい

どちらも本物。片方だけが正しいわけではない

1社長の物差しと現場の物差し。同じAI導入を見ていても、数えているものがそもそも違う。

マル

別の物差しで測ってたら、そりゃ答えも合わないよね……。

タイガー

うん。どちらかが正しくて、どちらかが間違っている、って話じゃない。両方とも本物なんだ。だから「数字は良いのに現場は不満」は矛盾じゃなくて、当然起きること、と思っておいたほうがいい。

ズレの正体

  • 社長の物差し=投資が回収できているか(お金・件数)
  • 現場の物差し=今日の仕事が楽になったか(体感・新しい面倒の有無)
  • どちらも本物。片方が正しくて片方が間違っている、わけではない

お金の数字が良くても、現場が渋い顔をする理由

ここで多くの社長がつまずくのが、「数字が良ければ現場も喜んでいるはずだ」という思い込みです。実際には、良くなった数字の裏で、現場にしか見えていない変化が起きていることがあります。

マル

でも実際、時間もお金も浮いてるんでしょ? なんで現場はうれしくないの?

タイガー

浮いた時間が、そのまま休憩になるとは限らないからだよ。空いた時間に、別の仕事が積まれる。件数がこなせるようになった分、扱う件数そのものが増える。浮いた分が、そのまま次の仕事の枠に化けるんだ。

マル

えっ、浮いた時間、消えちゃうんだ……。

タイガー

消えるわけじゃなくて、姿を変えて別の仕事になってるだけ。でもそれは経営側の集計には「良い数字」としてしか出てこない。現場からすれば、楽になった実感がないまま数字だけ上がっていくように見える。

マル

ほかにも理由ある?

タイガー

もう一つ大きいのが、AIが作ったものを確認する手間。この確認作業は、時間の集計にもお金の集計にも、たいてい載らない新しい仕事なんだ。無かったことにされた面倒、と言ってもいい。

数字と体感がズレる2つの理由

  • 浮いた時間は消えず、そのまま次の仕事の量に化けることが多い
  • AIの出力を確認する手間は新しい仕事だが、集計には出てこない

現場の「楽になった」は、なぜ社長に届かないのか

逆のケースもあります。現場は確かに楽になったと感じているのに、その手応えが経営側にまったく伝わっていない、というものです。理由は単純で、体感は誰かが言葉にしない限り、報告資料のどこにも載らないからです。

マル

じゃあ逆に、現場が「楽になった」って感じてるのに、社長に伝わらないこともあるの?

タイガー

よくある。「楽になった」は表にしづらい感覚だから、誰かがわざわざ言葉にして伝えないと、経営側の目には触れないまま消えていく。しかも間に人が挟まるほど、細かいニュアンスは削れていく。

マル

じゃあ、体感の話は結局、数字にできないってこと?

タイガー

完全な数字にはしにくいけど、記録には残せる。「今月は楽になった」「今月はむしろしんどかった」くらいの粗さでいいから、お金や件数と並べて残しておく。それだけで、社長の目に入る形になる。
投資

AIを導入する

お金・件数の数字に出る
作業

現場の仕事のやり方が変わる

体感になる。数字には出にくい
両方を並べて記録して、初めて社長の目に入る
2投資から数字に出る流れと、現場の負担から体感になる流れは、そのままでは合流しない。両方を並べて記録して初めて、社長の目に入る。

体感を消さないために

  • 「楽になった」は誰かが言葉にしないと、経営側には届かない
  • 完全な数値化を目指さず、粗い記録でいいので数字と並べて残す

Comaruの実務ではこうしている

Comaruは1人なので、社長も現場も自分です。だからこそ、あえて2つの記録を分けています。Comaruの実務ではこうしているという話として書きます。ひとつは、記事の本数や案件の作業時間といった、いつも見ているお金・件数の記録。もうひとつは、月末に「今月は楽だったか、しんどかったか」を一行だけ書き残す記録です。

マル

一行だけでいいの? もっとちゃんと分析しなくていいの?

タイガー

最初から精密にやろうとすると続かないんだよ。一行でも、3ヶ月分並べれば流れが見えてくる。数字は上がっているのに一行の記録がずっと「しんどい」寄りなら、それはどこかで浮いた時間が別の仕事に化けている合図、と受け取れる。

マル

従業員がいる会社だと、どうすればいいの?

タイガー

やり方は同じでいい。月次の数字を出す表に、自由記入の一行欄を足すだけ。「今月AIまわりで楽だったこと・面倒だったこと」を、担当者が気軽に書ける場所を作る。集計するより先に、まず両方が同じ場所に並んでいることが大事なんだ。

まとめ:どちらかを正解にしない

「AIを入れたのに数字と現場の実感が合わない」というズレは、故障でも失敗でもありません。社長が見る物差し(お金・件数)と、現場が見る物差し(体感・新しい面倒)が、そもそも違うものを数えているだけです。どちらかを正解にして、もう片方を「気のせい」扱いにしてしまうと、良い数字の裏で現場が疲れていく状態に気づけなくなります。

対策は難しい分析ではなく、記録の置き方です。お金・件数の数字と、現場の一行の実感を、同じ場所に並べて残す。それだけで、ズレていることに早く気づけるようになります。数字が良いことと、現場が楽になっていることは、別々に確かめる必要がある——今回はそのことを書きました。

AIを入れてから最初に何を記録すべきかは社内にAIを入れる最初の30日、誰がこの記録係を担うかで迷ったらAI導入は誰が担当する?、現場からの反対の声にどう向き合うかは「AIに仕事を奪われる」と反対する社員に、何を話せばいいかもあわせてご覧ください。

30分無料相談では、数字は良いのに現場の空気が晴れない、というモヤモヤを整理するお手伝いもしています。何を記録すればいいか分からない方は、お気軽にどうぞ。

この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。