こんにちは、コマルです。AI導入の相談で、道具の次によく出るのが「で、誰が担当すればいいんですか」という質問です。
小さな会社に、AI専任の担当者はいません。だから答えは「兼務」になるのですが、誰に兼務させるかで結果がはっきり分かれます。今日は、実際に体制を組むときの考え方を、物知り猫のタイガーと好奇心旺盛なマルの会話で整理します。

マル

タイガー
1. 「詳しい人」に任せると止まる
パソコンに強い人をAI担当にすると、次のことが起きます。
- もともと忙しい——社内のIT関係がすでに集中していて、新しい取り組みまで手が回らない
- 属人化する——その人だけが使いこなし、周りは「よく分からないから聞く」で止まる
- 現場の困りごとと離れる——道具としては正しくても、実際に時間が溶けている作業とズレる

マル

タイガー
AI活用でつまずく理由をもう少し広く見た話は中小企業のAI導入が失敗する5つの理由に書きました。体制の話は、そのうちの「人」の側面にあたります。 症状から自社の型を見分けたい場合はAI導入が失敗する5つの型へ。 ここで書いた「詳しい人に任せて止まる」は、その型のひとつを人の配置の側から見たものです。
ここまでのまとめ
- 「詳しい人」は忙しく、属人化しやすく、現場の困りごとと離れがち
- 詳しさはあとから足せるが、当事者の感覚は足せない
- 選ぶ順番を逆にすると、最初の一歩から止まる
2. 必要な役割は3つ。専任はいらない
体制といっても、組織図を作る話ではありません。必要なのは、3つの役割が誰かに割り当たっていることだけです。
人数ではなく役割です。1人が複数を兼ねてかまいません。 3つとも誰かが持っていることだけを確かめます。

マル

タイガー

マル

タイガー
ここまでのまとめ
- 必要なのは「決める人」「回す人」「使う人」の3つの役割
- 人数ではなく役割。1人が複数を兼ねてよい
- 抜けやすいのは「決める人」=担当者の判断範囲を決める役
3. 担当に向くのは「いちばん困っている人」
では回す人には誰を据えるか。おすすめは、その作業でいちばん困っている人です。
理由はシンプルで、効果を最初に実感するのが本人だからです。実感した人は続けます。続けば型ができて、他の人にも渡せるようになります。
向く
- ・その作業でいちばん困っている人
- ・文章を書くのが苦にならない人
- ・自分の判断で小さく試せる人
向かない
- ・社内でいちばんITに詳しいが、すでに手一杯の人
- ・困っていないが役職で選ばれた人
- ・毎回上の判断を待たないと動けない人

マル

タイガー
もう一つ実務的な条件があります。文章を書くのが極端に苦にならない人。AIへの指示は結局のところ文章なので、ここが苦痛だと日々の負担になります。逆に言えば、必要なのはこれくらいです。プログラミングの知識は要りません。
ここまでのまとめ
- 回す人は「その作業でいちばん困っている人」が向く
- 効果を本人が実感するので続く。続けば型になり、他の人へ渡せる
- 必要なのは技術知識ではなく、文章を書くのが苦にならないこと
4. 兼務で回すための3つの線引き
兼務は「片手間」とは違います。回すために、最低限これだけは決めておきます。
- 時間——週に何時間使ってよいかを決める。曖昧にすると、忙しい週から順に消えます
- 判断の範囲——いくらまでなら自分で契約してよいか、どんな情報なら入れてよいか。ここが決まっていれば、いちいち止まりません
- 報告の頻度——月1回、5分で十分です。報告の場があると「なんとなく消える」が起きません

マル

タイガー
入れていい情報の線引きは、ゼロから考えなくて大丈夫です。小さな会社の生成AI利用ルールにひな形を置いています。実際の進め方は社内にAIを入れる最初の30日にまとめました。
ここまでのまとめ
- 時間・判断の範囲・報告の頻度の3つを先に決める
- 最初は週2時間で足りる。長さより「先に確保してある」ことが大事
- 判断範囲が決まっていれば、担当者はいちいち止まらない
5. 外に頼っていい部分
全部を社内で抱える必要はありません。外に出しやすいのは、次の2つです。
- 立ち上げの設計——どの作業から始めるか、何を測るか。最初の1回だけ外の目を入れると、遠回りを避けられます
- 型づくり——うまくいった頼み方を、他の人が再現できる形に整える作業
逆に、外に出せないのは「どれを選ぶか」の判断です。自分の商売のどこが痛いかは、外からは見えません。ここだけは社内で握ります。
まとめ
- 「詳しい人」を担当にすると、忙しさと属人化で止まりやすい
- 必要なのは決める人・回す人・使う人の3役。人数ではなく役割で、兼務でよい
- 回す人はその作業でいちばん困っている人。技術知識は要らない
- 兼務を回すには時間・判断の範囲・報告の頻度を先に決める
- 外に出せるのは設計と型づくり。選ぶ判断だけは社内で握る
体制といっても、決めることは多くありません。むしろ決めすぎないほうが動きます。AIを仕事の中心まで組み込んだ先の形はAIで分身を持つに書きました。
30分無料相談では、「うちだと誰を担当にするのがよさそうか」を、実際の業務を聞きながら一緒に考えられます。担当者が決まっていない段階からで大丈夫です。
この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。
