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補助金の加点15項目、無料で取れるものだけ選んだ

こんにちは、コマルです。前回、採択率の記事で「採択率は自分で動かせないけれど、加点は動かせる」という話をしました。

じゃあ、その加点には何があるのか。公募要領には15項目がずらっと並んでいます。全部読んで、お金をかけずに今から取れるものと、そうでないものに仕分けました。物知り猫のタイガーと好奇心旺盛なマルが案内します。

この記事は2026年7月19日時点の通常枠 公募要領にもとづいています。加点項目は公募回によって追加・改訂されるため、申請前に必ず公式サイトで最新の要領をご確認ください。

加点は「答えが公開されている」部分

マル

ねえタイガー、加点項目って全部でいくつあるの?

タイガー

通常枠だと15項目。公募要領の「加点項目について」に1)から15)まで、番号を振って並んでいるよ。

マル

そんなにあるんだ! 全部やらなきゃダメ?

タイガー

まさか。中には「健康経営優良法人2026に認定されていること」みたいに、今から言っても間に合わないものもある。大事なのは、自分が今から取れるものだけを拾うことなんだ。

マル

どうして加点にこだわるの?

タイガー

前に話したとおり、審査の中身も不採択の理由も教えてもらえない。でも加点だけは「これをやれば加点します」と公開されているんだ。答えが見えている数少ない部分だから、ここを拾わない手はないんだよ。
非公開 審査の内容審査項目は公開。ただし採点の中身は非開示
非公開 不採択の理由本人にも開示されないと公募要領が明記
公開 加点の条件15項目すべて条件つきで公開されている
1審査の中身は非公開。そのなかで加点項目だけは条件が公開されている。

ここまでのまとめ

  • 通常枠の加点項目は15項目(公募要領 3-3(2)①)
  • 審査内容・不採択理由は非開示だが、加点の条件だけは公開されている
  • 全部やる必要はない。今から取れるものだけを拾う

お金をかけずに、今から取れるもの

まず、費用がかからず、申請前の作業だけで取れるものから。

マル

お金がかからないのって、どれ?

タイガー

大きく3つあるよ。1つめは省力化ナビ。中小機構のWeb診断ツールで、診断して「解決策」のPDFをダウンロードすると加点になる。ただし条件があって、診断のときに申請で使うgBizIDプライムを入力することと、交付申請の締切日までにPDFをダウンロードすること

マル

締切のあとにダウンロードしたら?

タイガー

加点されないよ。条文が「交付申請締切日時点において」と書いているからね。順番が大事なんだ。

マル

2つめは?

タイガー

IT戦略ナビwith。中小機構の「デジwith」というポータルにある診断で、こちらも交付申請前にやっておく必要がある。実施結果の「IT戦略マップ」をPDFで出力して添付するんだ。ここでも申請に使うgBizIDプライムを入力しておくこと。

マル

3つめは?

タイガー

成長加速マッチングサービス。中小企業庁のサービスに会員登録して、自社の「挑戦課題」を登録する。注意点があって、条文には「登録されている課題のステータスが『掲載中』となっている課題を確認できた場合のみ加点を行う」とある。登録しただけで掲載待ちだと、加点されない可能性があるということだね。

マル

そこまで細かく書いてあるんだ……。

タイガー

逆に言えば、細かく書いてあるからこそ確実に取れるんだ。条件を満たしたかどうかが自分で判断できるからね。

ここまでのまとめ

  • 省力化ナビ:診断してPDFをダウンロード。申請に使うgBizIDプライムを入力し、交付申請締切日までに完了させる
  • IT戦略ナビwith:交付申請前に実施し、IT戦略マップをPDFで添付。gBizIDプライムの入力も必要
  • 成長加速マッチングサービス:会員登録+挑戦課題の登録。ステータスが「掲載中」でないと加点されない
  • いずれも費用はかからず、順番(申請前・締切前)を守ることが条件

導入するツールの選び方で取れるもの

次は、何を導入するかで決まるものです。

マル

ツールを選ぶだけで加点になるの?

タイガー

なるよ。3つある。クラウド製品を選ぶこと「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選ぶことインボイス制度対応製品を選ぶこと。どれも導入するITツールの性質で決まるんだ。

マル

じゃあ、全部満たすツールを選べばいいんだね!

タイガー

気持ちはわかるけど、そこは順番を間違えないでほしいな。加点のためにツールを選ぶと、本末転倒になる。審査では「自社の課題と、導入するITツールがマッチしているか」を見られるんだから、課題に合わないツールを加点目当てで選ぶと、そっちで評価を落としてしまう。

マル

そっか。合うツールの中に加点対象があればラッキー、くらいなんだ。

タイガー

そのとおり。課題に合うツールを先に決めて、その中で加点が付くものを選ぶ。この順番なら間違いないよ。

ここまでのまとめ

  • ツール選択で決まる加点:クラウド製品/サイバーセキュリティお助け隊サービス/インボイス制度対応製品
  • ただし加点目当てのツール選定は逆効果。審査では課題とツールのマッチが見られる
  • 課題に合うツールを先に決め、その中で加点が付くものを選ぶ

面談で取れるもの、認定が要るもの

マル

面談の加点があるって聞いたけど?

タイガー

デジタル化セカンドオピニオンだね。通常枠の第3回公募から始まった加点で、確認者との面談を完了させたうえで交付申請を出す必要がある。審査そのものではなく、あくまで加点のための面談だよ。

マル

残りは?

タイガー

ここからは今日思い立って取れるものではないんだ。健康経営優良法人2026の認定、女性活躍推進法にもとづく「えるぼし」、次世代法にもとづく「くるみん」——どれも認定を受けるまでに時間がかかる。

マル

じゃあ、今回は諦めるしかないの?

タイガー

今回はね。でもこれらは一度取れば次の申請でも効く。それに補助金と関係なく、採用や信用の面で意味がある認定でもある。「補助金のために取る」んじゃなくて、「もともと取る価値があるものが、たまたま加点にもなる」と考えるのがいいと思うよ。

マル

なるほど、長い目で見るんだね。
今から取れる(無料・作業のみ)
  • 省力化ナビ
  • IT戦略ナビwith
  • 成長加速マッチングサービス
ツール選択で決まる
  • クラウド製品
  • サイバーセキュリティお助け隊サービス
  • インボイス制度対応製品
直前では間に合わない
  • 健康経営優良法人2026
  • えるぼし
  • くるみん
性質が違う(要検討)
  • 賃上げ計画 5)〜8)
  • 最低賃金に関する加点 14)15)
2加点15項目を「今から取れるか」で仕分けたもの。締切前に動かせるのは上の2グループ。

ここまでのまとめ

  • デジタル化セカンドオピニオン:面談を完了させてから交付申請を出す(通常枠・第3回公募から)
  • 健康経営優良法人2026/えるぼし/くるみんは、認定に時間がかかり直前では間に合わない
  • ただし一度取れば次回以降も効く。補助金抜きでも価値のある認定として考える

賃上げは加点だが、慎重に

残りは賃金に関する項目です。ここだけは性質が違います。

マル

賃上げも加点なんだよね?

タイガー

15項目のうち、5)から8)と14)15)が賃金に関するものだ。数のうえでは大きな割合を占めている。

マル

じゃあ、そこを狙うのが効率よさそう!

タイガー

待って、マル。ここは他の加点と性質がまったく違うんだ。省力化ナビは、やれば終わり。でも賃上げの加点は、3年間の事業計画を立てて、実行することを約束するもの。しかも達成できなかったら、その後18カ月間、中小企業庁が所管する他の補助金でも大幅に減点されると条文に書いてある。

マル

えっ、他の補助金にまで影響するの……。

タイガー

そうなんだ。だから賃上げの加点は「取れるから取る」ではなく、達成できる見通しがあるかを財務と照らして決めるもの。ここは日を改めて、賃上げ要件だけを詳しく扱った記事で整理するよ。

ここまでのまとめ

  • 15項目のうち5)〜8)と14)15)が賃金に関するもの
  • 他の加点と違い、3年間の事業計画の策定と実行を伴う
  • 未達の場合、以降18カ月間は中小企業庁所管の他補助金でも大幅に減点される
  • 「取れるから取る」ではなく、達成可能かを財務と照らして判断する

まとめ:締切から逆算して、拾えるものを拾う

加点15項目のうち、今日から動いて締切前に取れるのは、省力化ナビ・IT戦略ナビwith・成長加速マッチングサービスの3つ。いずれも費用はかからず、必要なのは時間だけです。

ただし3つとも「交付申請より前に」「締切日までに」という時間の条件がついています。申請書を書き終えてから思い出しても間に合いません。準備の最初にまとめて済ませてしまうのが確実です。

そして賃上げの加点は、数が多いぶん魅力的に見えますが、性質がまったく違います。ここは別途じっくり考えてください。

申請前の準備手順はgBizID・SECURITY ACTIONの最短ルートに、採択率の実態は46.3%は本当?枠ごとに確かめたに、個人事業主の必要書類は個人事業主も補助金は使えるにまとめています。

30分無料相談では、「うちが今から取れる加点はどれか」を一緒に洗い出せます。締切が近くて焦っている方も、お気軽にどうぞ。

この記事は「デジタル化・AI導入補助金2026」の論点のひとつです。制度の全体像と申請までの流れは完全ガイドにまとめています。


参考(一次情報):通常枠 公募要領(PDF)デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト

本文で引用した条文の所在:加点15項目・各項目の条件(省力化ナビの締切日要件、成長加速マッチングサービスの「掲載中」要件、IT戦略ナビwithのgBizID入力要件、デジタル化セカンドオピニオン)=通常枠 公募要領「3-3(2)① 加点項目について」。加点未達時の18カ月間の減点=同「【補足4】加点を受けたにも関わらず、加点要件を達成できなかった場合」。審査項目=同「3-3(2) 加点項目及び減点項目の審査」。

この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。