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Copilotを会社で使うときに見落としがちな注意点

こんにちは、コマルです。よく聞かれる質問を順に答えます。今回のテーマは「Copilot」です。ChatGPTと並んで名前が挙がることの多いツールですが、同じ「Copilot」という名前の下に、中身の違う製品がいくつも存在するのが最大の落とし穴です。ここを切り分けずに「Copilotは安全らしい」「Copilotは危ないらしい」と話していると、実は別の製品の話をしていた、ということが起こります。2026年8月時点のMicrosoft公式情報をもとに、10の質問に答えます。

Q1. 会社で「Copilot」って聞くけど、結局どれのこと?

マル

「うちもCopilotを使ってる」ってよく聞くけど、みんな同じCopilotの話をしてるんだよね?

タイガー

それが違うんだ。同じ「Copilot」という名前の下に、中身の違う製品が少なくとも4つある。社内のファイルやメールまで参照できる有料版、対象契約があれば無料で使える版、個人のMicrosoftアカウントで使う版、そしてソースコード専用の別製品。契約もデータの扱いも別物だから、まず自分(自社)が話しているのはどれかを先に特定しよう。
1
Microsoft 365 Copilot有料・職場アカウント社内のファイル・メール・チャットまで参照できる
2
Microsoft 365 Copilot Chat対象契約なら追加費用なし・職場アカウント基本はWeb中心。社内データ参照は管理者の設定次第
3
Copilot(Windows/copilot.microsoft.com)個人のMicrosoftアカウントWeb中心。見えるのは自分のチャット履歴だけ
4
GitHub Copilotソースコード専用の別製品・別契約個人向けと組織向け(Business/Enterprise)でデータの扱いが違う

同じ「Copilot」という名前でも、中身は製品ごとに別物。まず自分(自社)が使っているのはどれかを特定する。

1会社で聞く「Copilot」の正体4つ。同じ名前でも製品・契約・見える範囲が違う。2026年8月時点のMicrosoft公式情報をもとに整理。

Q2. 無料のCopilotと有料のCopilot、何が違うの?

「無料」と呼ばれているのは主にMicrosoft 365 Copilot Chatで、対象のMicrosoft 365サブスクリプションを持っていれば追加費用なしで使えます。「有料」はMicrosoft 365 Copilotで、1人分の追加ライセンスを契約すると、Microsoft Graph経由で社内のファイル・メール・チャットまで参照した回答を作れるようになります。共通しているのは、どちらも職場アカウントでサインインすれば同じ「エンタープライズ データ保護」の対象になる、とMicrosoftが説明している点です。

Q3. 個人のMicrosoftアカウントと会社のアカウント、サインインで何が変わるの?

マル

職場のパソコンでCopilotを開いたとき、うっかり自分の個人のMicrosoftアカウントでサインインしてたら……何がまずいの?

タイガー

これがいちばん見落とされやすい点。個人アカウントでのCopilotは、Web検索と自分のチャット履歴だけが対象で、会社のファイルには触れない代わりに、エンタープライズ データ保護のような組織向けの保護も適用されないんだ。

マル

職場アカウントでサインインすれば、そこは自動的に切り替わるの?

タイガー

そう。職場アカウント(Entra ID)でサインインしてはじめて、社内データの参照も、管理者による保護も両方が有効になる。同じ画面に見えても、どちらのアカウントで入っているかで別物になるんだ。

Q4. Copilotに入力した内容は、AIの学習に使われるの?

Microsoft 365 CopilotとMicrosoft 365 Copilot Chatについては、「入力したプロンプト・生成された応答・Microsoft Graph経由で参照したデータは、基盤モデルの学習には使われない」とMicrosoftが公式に説明しています(2026年8月時点)。ここはMicrosoft 365 CopilotとMicrosoft 365 Copilot Chatに共通する安心材料です。ただし、これはあくまでMicrosoft 365 Copilotファミリーの話。後述するGitHub Copilotは、個人向けプランに限り扱いが違います。

Q5. Copilotは社内のどの情報を見られるの?社外秘のファイルまで勝手に読まれない?

マル

Copilotを入れたら、いままで奥のフォルダに眠ってた社外秘のファイルまで読まれちゃうんじゃないかって、ちょっと怖いんだけど……。

タイガー

実はそこ、白黒つけにくいところなんだ。Microsoftの公式ガイドによると、Copilotは新しいアクセス権を作らない。見せるのは、そのユーザーが元々アクセスできる範囲だけ。

マル

じゃあ安心ってこと?

タイガー

そうとも言い切れなくて。問題は「元々アクセスできる範囲」自体が、社内の共有設定が長年ゆるいままだと、思ったより広いことがあるという点。今まで見つけにくかっただけのファイルを、Copilotが検索しやすくしてしまう、というのが公式ガイドの指摘なんだ。

マル

つまり犯人はCopilotじゃなくて、前からあった共有設定のゆるさってこと……。

タイガー

そのとおり。だから導入前に、社内の共有設定を一度棚卸しすることをMicrosoftも勧めているんだ。

Q6. GitHub Copilotも同じ扱いなの?エンジニアだけの話でしょ?

GitHub CopilotはMicrosoft 365 Copilotとは完全に別の製品・別の契約で、ソースコードの入力補助に特化しています。社内にエンジニアがいなくても、外部の開発会社やフリーランスに発注しているなら無関係とは言えません。GitHub公式によると、個人向けプラン(Free/Pro/Pro+/Max)は2026年4月24日以降、コードの入力内容をAIモデルの学習に使う設定が初期状態でオンになっている(設定でオフに変更は可能)一方、Business・Enterpriseプランは、顧客のコードやプロンプトを学習に使わない契約になっています。ここも個人向けと組織向けで扱いが真逆です。

Q7. Windowsに最初から入っているCopilotボタンは何なの?消していい?

これはQ1で触れた、個人のMicrosoftアカウントで使うタイプのCopilotです。基本はWeb検索を土台にした受け答えで、会社のファイルやメールに勝手につながる仕組みは初期状態では持っていません。消す・消さないは好みの範囲で構いませんが、「会社の情報は入れていいのか」という判断は、他のAIツールと同じ基準で考えてください。線引きの考え方はAIに入れていい情報はどこまで?にまとめています。

Q8. 導入前に何を確認すればいい?中小企業がまず見るべき3点は?

ここまでの内容を整理すると、確認すべきは3つに絞れます。①今使おう・使っているのが4つのうちどのCopilotかを特定する、②社員が仕事で使うときは職場アカウントでサインインする運用にする、③社内の共有設定をCopilot導入前に一度見直す——この3つです。

1今使っている・使おうとしているのは、4つのうちどのCopilotか特定した
2社員が仕事で使うとき、個人アカウントではなく職場アカウントでサインインする運用になっている
3社内の共有設定(誰がどのファイル・フォルダを見られるか)を、導入前に一度棚卸しした

3つとも「はい」と言えれば、導入は進めて大丈夫。言えないものがあれば、そこを先に決める。

2Copilotを導入する前に確認したい3つ。ここまでのQ&Aの内容を、チェックリストとして順番に確認できる形にまとめた。

マル

名前を特定して、サインインを揃えて、共有設定を見直す。この3つなら、うちでも今日から確認できそう!

タイガー

その順番でいいよ。難しい設定作業より先に、まず「何を使っているか」をはっきりさせることがいちばん効くんだ。

Q9. 社員が個人のCopilotアカウントで会社の仕事をしていたらどうすればいい?

マル

そういえば、うちの社員、家でも仕事の相談を個人のCopilotに投げてる気がする……これってどうすればいいの?

タイガー

まずは咎めるより、どのCopilot(アカウント)で仕事の相談をしているかを本人に確認するのが先決。個人アカウントなら、Q3で話した保護は効いていないから、会社の機密や顧客情報は入れない前提に切り替えてもらう必要がある。

マル

禁止した方が早くない?

タイガー

禁止だけだと、見えないところで同じ使い方が続くことも多い。入れていい情報の線引きを先に共有して、本気で使うなら職場アカウントの利用へ揃える、という順番のほうが実際には効くよ。

Q10. 取引先や外注先が「Copilotを使っている」と言ってきたら、何を確認すればいい?

こちらから何かを入力しなくても、共有した情報がどう扱われるかは相手のCopilot次第です。「どのCopilotか」「職場アカウントで使っているか」の2点だけでも聞いておくと安心材料になります。Q1の見分け方を、そのまま確認リストとして使ってもらって構いません。相手が個人アカウントのままCopilotを使っていると分かった場合は、契約や依頼内容の見直しとあわせて相談してください。

10の質問を1枚で振り返る

  • 「Copilot」は1種類ではない。まずどの製品の話かを特定する(Q1・Q6)
  • 個人アカウントと職場アカウントで、見える範囲も保護も別物になる(Q3)
  • Microsoft 365 Copilotファミリーの入力は学習に使われないが、GitHub Copilot個人向けは扱いが違う(Q4・Q6)
  • Copilotは新しい権限を作らない。危ないのは「前からあった共有設定のゆるさ」(Q5)
  • 導入前に見るべきは、製品の特定・サインインの統一・共有設定の棚卸し(Q8)

まとめ:怖いのはCopilotそのものより、「どれの話か」があいまいなこと

Copilotをめぐる不安の多くは、実は製品そのもののリスクというより、4つの違う製品を1つの名前で語ってしまうことから生まれています。有料のMicrosoft 365 Copilotの話をしているつもりが、実は個人向けのCopilotの話だった、ということが社内の会話では普通に起こります。

対策は難しくありません。まず自分たちが使っているCopilotがどれかを特定し、職場アカウントでのサインインに揃え、社内の共有設定を一度見直す。この順番を守れば、こわがりすぎずに使い始められます。共有設定の見直しは、Copilotを入れる・入れないに関係なく、今のうちにやっておいて損はありません。

同じ「学習に使われるかどうか」の切り分けはChatGPTでも起きる話です。ChatGPTに会社の情報を入れて大丈夫?「学習させない」設定の手順もあわせてご覧ください。入れていい情報の線引きはAIに入れていい情報はどこまで?、法律面の整理は個人情報保護法とAIの入力にまとめています。

30分無料相談では、「うちが使っているCopilotはどれで、何を確認すればいいか」を一緒に整理できます。名前だけで判断せず、中身を確認してから使いたい方はお気軽にどうぞ。


参考(一次情報):Microsoft Learn Enterprise data protection in Microsoft 365 Copilot and Microsoft 365 Copilot ChatMicrosoft Learn Configure a secure and governed foundation for Microsoft 365 CopilotMicrosoftサポート Microsoft 365のMicrosoft Copilot(無料)とCopilotの違いGitHub Docs Managing Copilot policies as an individual subscriber

※本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。各サービスのプラン名・データの扱いは改定が多いため、実際の導入にあたっては必ず各社の最新の公式情報をご確認ください。

この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。