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補助金が取り消される。巻き込まれない業者の見分け方

こんにちは、コマルです。補助金の相談をしていると、「業者さんが全部やってくれるって言うので任せています」という話をよく聞きます。

その任せ方によっては、自分に落ち度がなくても補助金が取り消されることがあります。脅かしたいのではなく、事務局が公表している規程にそう書いてあるからです。今回もその原文を、物知り猫のタイガーと好奇心旺盛なマルが確認します。

この記事は2026年7月19日時点の通常枠 公募要領および事務局公表資料にもとづいています。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

いちばん怖いのは「巻き込まれる」こと

マル

ねえタイガー、業者さんに任せるのって、そんなに危ないの?

タイガー

任せること自体は悪くないよ。ITツールを提供する「IT導入支援事業者」は制度に組み込まれた存在だからね。危ないのは任せ方と、相手を選ばないことなんだ。

マル

相手を選ばないと、何が起きるの?

タイガー

事務局が公表している資料に、こう書いてある。IT導入支援事業者の登録取消がなされた場合、「当該IT導入支援事業者に係る全ての交付申請について、事務局は交付決定を取消すことができる」と交付規程で定められている、と。

マル

全ての……? その業者を使った人、全員?

タイガー

条文はそう読める。しかも自分が不正をしたかどうかは書かれていない。真面目に申請していても、支援事業者の側で問題が起きれば、その事業者に紐づく交付決定はまとめて取り消しうる、ということなんだ。

マル

こっちは何も悪いことしてないのに……。

タイガー

だからこそ、誰と組むかが最大のリスク管理になる。ここは自分で選べる部分だからね。
きっかけ支援事業者に不正・不適切な行為
事務局の措置IT導入支援事業者の登録取消
申請者に落ち度がなくてもその事業者に係る
全ての交付決定を
取り消しうる
交付規程 第27条
1支援事業者が登録取消になると、その事業者に紐づく交付決定はまとめて取り消しうる。申請者の落ち度の有無は問われない。

ここまでのまとめ

  • IT導入支援事業者の登録取消時、その事業者に係る全ての交付申請について交付決定を取り消せる(交付規程第27条)
  • 申請者自身に落ち度がなくても対象になりうる
  • 事務局は登録取消となった事業者名を公表している(更新され続けている)
  • 「誰と組むか」が最大のリスク管理になる

事務局が「不正」と名指ししている手口

公募要領には、不正の具体例が列挙されています。ここを知っておくと、危ない提案を見分けられます。

マル

どういうのが不正になるの?

タイガー

公募要領の補足に、具体例が並んでいる。ざっくり言うと、証憑に書かれた金額と、実際に払った金額が一致しなくなるものが全部アウトなんだ。

マル

たとえば?

タイガー

ポイントやクーポンを発行して、ITツールの購入額を実質的に安くしたり無料にしたりするもの。購入額の一部を後から口座振込や現金で払い戻すもの——いわゆるキャッシュバックだね。それと、第三者から資金提供を受けて、紹介料やコンサル料の名目でそのお金を還流させるもの。

マル

「実質無料になります」って言われたら?

タイガー

その時点で危ないと思っていい。補助金は購入額の一部を補助する仕組みだから、自己負担が消えること自体がおかしいんだ。条文にも「実質的に還元を行う行為は、補助金の交付の目的に反する行為」とはっきり書かれている。

マル

「紹介の実態はありますよ」って言われても?

タイガー

条文はそこも先回りしていて、「仮に紹介等の実態を伴っていたとしても実質的還元に該当する」と書いてある。言い訳を封じているんだね。

ここまでのまとめ

  • ポイント・クーポン等でITツールの購入額を実質的に減額・無償にする行為
  • 購入額の一部を口座振込や現金で払い戻す行為(キャッシュバック)
  • 第三者から資金提供を受け、紹介料・コンサル料名目で還流させる行為
  • 「紹介の実態があった」としても実質的還元に該当すると条文が明記している
  • 「実質無料」「自己負担ゼロ」は、それ自体が危険信号

手続きを丸投げしてはいけない理由

「全部やっておきます」が、なぜ問題になるのか。

マル

手続きが面倒だから全部お願いする、じゃダメなの?

タイガー

条文が守らせようとしているのは、申請の主体が本人であることなんだ。たとえば公募要領には、登録する情報やメールアドレスは「必ず申請者自身が管理するもの」を設定しなければならない、と書かれている。

マル

業者さんのアドレスを使ったら?

タイガー

条文はこう続く。第三者が管理するメールアドレスやエイリアス等を使い、管理者や受信者が曖昧で、かつ申請内容に疑義が生じた場合は、事務局からIT導入支援事業者に確認が行く、と。要するに疑われる状態を自分から作ることになるんだ。

マル

gBizIDのパスワードを預けるのは?

タイガー

それはもっと危ない。gBizIDは国の電子申請の本人確認そのものだから、渡してしまえば申請者本人が申請したという前提が崩れる。制度が「申請者自身が行うこと」を前提に組まれている以上、ここを崩す提案には乗らないほうがいい。

マル

面倒でも、自分のアカウントで自分でやる。

タイガー

そういうこと。支援は受けていい。でも操作と管理は自分。この線を引いておけば、丸投げにはならないよ。

ここまでのまとめ

  • 登録する情報・メールアドレスは「必ず申請者自身が管理するもの」と定められている
  • 第三者管理のアドレスを使い疑義が生じた場合、支援事業者に確認が入る
  • gBizIDのID・パスワードを渡すと、本人が申請したという前提が崩れる
  • 支援は受けてよいが、アカウントの操作と管理は自分で持つ

支払い方にもルールがある

意外と知られていないのが、支払い方法の指定です。

マル

支払い方って自由じゃないの?

タイガー

条文で決められているよ。「支払いの事実に関する客観性の担保のため、IT導入支援事業者への支払いは原則銀行振込又はクレジットカード1回払いのみとする」。しかも支払元の口座は必ず補助事業者の口座、支払先は必ずIT導入支援事業者の口座、と指定されている。

マル

名義が違うとどうなるの?

タイガー

補助事業者名義でない口座より支払っている場合、補助金を受けることはできない」と書いてある。社長の個人口座から払った、家族の口座から払った、というのが後で問題になるパターンだね。

マル

現金や分割払いもダメなんだ。

タイガー

お金の流れが追えなくなるからね。追えない払い方をさせようとする相手は、それだけで距離を置いていい。

ここまでのまとめ

  • 支払いは原則、銀行振込またはクレジットカード1回払いのみ
  • 支払元は必ず補助事業者名義の口座。名義が違うと補助金を受けられない
  • 現金払いや分割払いを勧められたら、その時点で疑う

まとめ:見分け方は「自己負担が消えるか」「本人が操作するか」

長く書きましたが、危ない相手を見分ける物差しは2つです。

ひとつめは、自己負担が消える提案をしてくるか。実質無料、キャッシュバック、ポイントで相殺——名前は違っても、証憑の金額と実際に払う金額がズレる話はすべて不正の例として条文に並んでいます。

ふたつめは、本人が操作しなくていいと言うか。IDとパスワードを預かる、こちらのメールアドレスで登録する。この形は、制度が前提にしている「申請者本人による申請」を崩します。

そして事務局は、現地確認を含む立入調査を実施していて、登録取消になった事業者を実名で公表し続けています。措置には事業者名の公表や警察への通報まで含まれます。ここは「バレなければ大丈夫」が通らない領域です。

真っ当な支援事業者はたくさんあります。**支援は受ける。でも操作と管理は自分で持つ。**この線さえ引いておけば、巻き込まれるリスクはかなり下げられます。

申請の準備手順はgBizID・SECURITY ACTIONの最短ルートに、採択率の実態は46.3%は本当?に、加点の拾い方は加点15項目の仕分けにまとめています。

30分無料相談では、「受けている提案が大丈夫そうか」を一緒に確認できます。判断に迷っている方は、契約前にお気軽にどうぞ。

この記事は「デジタル化・AI導入補助金2026」の論点のひとつです。制度の全体像と申請までの流れは完全ガイドにまとめています。


参考(一次情報):通常枠 公募要領(PDF)IT導入支援事業者の登録取消について(PDF)不正行為にご注意くださいデジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト

本文で引用した条文の所在:登録取消時の交付決定取消(交付規程第27条)・立入調査(同第32条)・措置の内容=事務局公表資料「IT導入支援事業者の登録取消について」。不正の具体例(ポイント・クーポン、キャッシュバック、資金還流、紹介実態があっても該当する旨)=通常枠 公募要領「【補足5】不正な交付申請及び補助金等の不正な使用と定義される具体例」。メールアドレスの自己管理・支払方法・支払元口座の名義=同「4-1 申請者、補助事業者の留意事項」。

この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。