こんにちは、コマルです。「外注先がChatGPTを使っているらしいんだけど、うちの契約書には何も書いていなくて……」。受託の仕事を人に頼んでいる方から、最近よくこの相談を受けます。逆に受託する側からも、「契約書にAIのこと何も書いてないけど、使っていいんだよね?」と聞かれることがあります。どちらの立場でも答えは同じで、書いていないなら足したほうがいい一文があります。生成AIが仕事の一部で当たり前に使われるようになったのはここ数年のことで、契約書の見直しが追いついていない会社は珍しくありません。今日はその中身を、物知り猫のタイガーと心配性なマルの対話で整理します。
「何も書いていない」が、実はふつう
業務委託契約書の多くは、発注側が用意したひな形をベースに、毎回使い回されています。ここにAIの一文が入っていないのは、サボっているからではなく、単に想定されていなかっただけです。

マル

タイガー

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タイガー
一文が無い場合
受託者がAIを使って成果物を作る
発注者はそれを知らない
契約書に何の定めも無いため
何かあったとき「言った・言わない」に
確認と説明にかかる時間が長引く
一文がある場合
契約書にAI利用の一文を足す
使ってよい範囲が最初から明確
秘密情報の扱い・責任の所在も合わせて明記
何かあっても契約書に立ち返れる
対応が早く終わる
ここまでのポイント
- 契約書にAIの記載が無いのは、多くのひな形が生成AI普及前に作られたから
- 「書いていない」は許可でも禁止でもなく、あいまいなまま
- あいまいさは、トラブル時の「言った言わない」につながる
心配の中身は、だいたい3つに分けられる
何を心配すればいいか分からないまま「AI禁止」とだけ書いてしまう契約書もありますが、それでは実態に合いません。受託業務ではAIを使う場面が見えにくく、後回しにされがちです。まずは心配の中身を分けて考えます。

マル

タイガー

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大企業向けのひな形は、正直重すぎる
契約書のAI条項を調べると、特許庁が公開している「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(AI編)」に行き当たります。ただし、そこに並んでいるのは秘密保持契約書・PoC契約書(技術検証。試作段階で実際に使えるか確かめる段階の契約)・共同研究開発契約書・ライセンス契約書で、事業会社とスタートアップが一緒にAIを開発する場面を想定したものです。
検索して出てくる解説記事の多くも、想定している読者は法務の担当者を置けるような規模の企業です。中小企業や個人事業主が読んでも、自分の契約にそのまま当てはめにくいのが実情です。

マル

タイガー

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足すなら、この3つの要素で足りる
使ってよい範囲
成果物の作成にAIを利用する場合がある旨を明記する
秘密情報の扱い
お客さんの情報や個人情報を、断りなく外部のAIサービスに入力しない旨を定める
責任の所在
AIを使っても、品質・納期・第三者の権利侵害の責任は受託者が負う旨を明記する
3つを数行にまとめて既存の契約書に追記すれば足りることが多い。案件の性質によって重みづけは変わる。
3つとも、条文としては数行で足ります。既存の契約書を新しく作り直す必要はありません。

マル

タイガー

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足す3要素
- ①使ってよい範囲:成果物の作成にAIを利用する場合がある旨を明記
- ②秘密情報の扱い:断りなく外部のAIサービスに入力しない旨を定める
- ③責任の所在:AIを使っても品質・納期・第三者の権利侵害の責任は受託者が負う旨を明記
Comaruが実際の契約書に足している考え方
Comaruも受託事業者として、お客様の情報を扱う契約を結んでいます。実務では、上の3要素を数行にまとめて、既存の契約書に追記する形で対応しています。
Comaruが外部の協力者に仕事を依頼する、発注側になる場面もあります。どちらの立場でも、確認する内容そのものは変わりません。

マル

タイガー

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Comaruの進め方
- 既存の契約書に、3要素を数行で追記する形で対応する
- 具体的な文面は案件ごとに相手方と相談して決める
- 先に合意しておけば、案件ごとに説明し直さずに済む
言い出すのは、発注する側でも受託する側でもいい
新しく契約を結ぶときだけでなく、すでに動いている契約を見直すときにも、同じ考え方が使えます。

マル

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まとめ:一文は数行でいい、話しておくことが本体
業務委託契約書にAIの記載が無いのは、めずらしいことではありません。多くのひな形が、生成AIが普及する前に作られているからです。だからといって何も決めずに進めるのは、あとあとの説明の手間を先送りしているだけです。
公開されているモデル契約書は、AI開発そのものを一緒に進めるような大掛かりな契約を想定しており、日々のデザインやライティングの受託にはそのまま使えません。足すなら、①使ってよい範囲、②秘密情報の扱い、③責任の所在の3つを数行にまとめれば十分です。
発注する側からでも、受託する側からでも、言い出すタイミングは契約前の一度で構いません。話した内容を一文として残しておけば、あとから「AI使ったんですか」と聞かれることも、説明のやり直しも無くなります。
秘密保持契約(NDA)を結んでいる相手の情報をAIに入れてよいかの判断は秘密保持契約(NDA)を結んでいる相手の情報、AIに入れていい?、パートや業務委託の相手にAIを使わせるときの線引きはパート・派遣・業務委託の人にAIを使わせていい?にまとめています。社内向けのルールを1枚にまとめる手順は小さな会社の生成AIルール、入れていい情報とダメな情報の線引きはAIに入れていい情報はどこまで?を参考にしてください。
30分無料相談では、「うちの契約書にどんな一文を足せばいいか」を、実際の契約書と業務内容に合わせて一緒に整理できます。外注する側でも、される側でも、お気軽にどうぞ。
参考(一次情報):特許庁 オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(OIモデル契約書 AI編)
参考(解説):行政書士川崎事務所 生成AI活用を見据えた業務委託契約書のポイント/note(竹永大) 「AI条項を、加筆せよ」業務委託契約におけるAI利用条項の導入/keiyaku-watch.jp AIの利用・開発に関する契約チェックリストとは?
※本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。契約書に追加する文言は案件ごとに異なるため、実際の運用にあたっては契約書の実物を確認したうえで、必要に応じて弁護士等の専門家にご確認ください。
この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。
