こんにちは、コマルです。「ChatGPTに求人票の文章を書かせてみたら、思ったよりずっと良い出来だった」——そのまま採用ページやSNSに貼っていませんか。AIが書く求人文は読みやすくまとまる一方で、悪気なく法律の線を越える表現がまじりがちです。まずは、今出そうとしている求人票がどこに当てはまるか、次のチャートでたどってみてください。
Q1 性別・年齢を条件にする表現があるか
「男性のみ」「女性歓迎」「35歳以下歓迎」など
いいえ
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はい→NG
原則NG(均等法5条・労働施策総合推進法9条)
例外はどちらの法律も限定的。根拠なく書くと違反になりうる
Q2 実態と違う誇張・好条件の表現があるか
裏付けのない「正社員登用実績多数」「アットホーム」の誇張など
いいえ
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はい→NG
NG(職業安定法5条の4・誤解を生じさせる表示)
虚偽なら罰則の対象にもなりうる
Q3 会社名・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の6情報が揃っているか
SNSでの募集も対象。1つでも欠けると表示義務違反
はい
このまま出してよい
はい→NG
NG(職業安定法5条の4・表示義務違反)
1つでも欠けている情報を足してから出す
それぞれの分岐がなぜ問題になるのか、一つずつ見ていきます。
Q1:性別を限定する表現になっていないか

マル

タイガー

マル

タイガー
AIは「明るい女性スタッフ」「頼れる男性」のような、書き手が意識しないまま性別を前提にした表現を作ってしまうことがあります。求人文の主語や呼びかけに性別が入っていないか、公開前に読み返す価値はここにあります。
性別を限定する表現の目安
- 「男性のみ」「女性歓迎」など、性別を条件・前提にした表現はすべて対象
- 均等法5条には募集・採用の一般的な例外規定がない
- 迷ったら「その性別でなければならない理由」を自分で説明できるか考える
Q2:年齢を制限する表現になっていないか
労働施策総合推進法9条は、募集及び採用における「年齢にかかわりない均等な機会の確保」を事業主の義務として定めています。「35歳以下歓迎」「若手中心の職場です」のような年齢を条件にする表現も、原則として同じ考え方の対象です。

マル

タイガー
AIに「若手が活躍する職場です」という一文を求めると、事実として若手が多い職場であっても、それが年齢を条件にした募集表現に読める書き方になっていないかは、AI自身では判断できません。
Q3:実態と違う誇張・好条件の表現になっていないか
職業安定法5条の4は、求人広告等について「当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない」と定めています。「正社員登用実績多数」と書きながら実績がほぼ無い、「賞与年3回」と書きながら支給実態が無い——こうした裏付けのない好条件の記載が、この「誤解を生じさせる表示」にあたります。

マル

タイガー
なお、この「誤解を生じさせる表示」がそのまま虚偽の表示だった場合は話が変わります。職業安定法65条9号は、虚偽の広告を出して労働者の募集を行った場合、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金と定めています。誇張の程度によって扱いは変わりますが、罰則の対象になりうる行為だという点は覚えておいてください。
Q4:法律で決まっている6つの情報が揃っているか
厚生労働省は、求人広告に必ず表示すべき情報として「募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先(電話番号等)・業務内容・就業場所・賃金」の6つを挙げています。これは職業安定法5条の4の表示義務にもとづくもので、新聞広告だけでなくインターネットやSNSでの募集も対象です。

マル

タイガー
ChatGPTに求人文を書かせると、キャッチコピーや業務内容は充実する一方で、住所や連絡先のような「事務的な情報」は本文の主旨と関係ないため省かれがちです。公開前に、この6つが実際に画面上に表示されているかをチェックリストとして確認してください。
例外——ここまでなら大丈夫、と言えるケース
4つの表現パターンを、根拠になる法律と原則・例外でまとめておきます。
原則すべてNG
例外はほぼ無い
原則NG
省令が定めた限られた場合のみ、理由を示せば可
誤解を招けばNG
虚偽なら罰則対象。誇張の程度でまず指導・改善命令
1つでも欠けるとNG
例外なし。SNS等の募集にも同じく適用
職業安定法・男女雇用機会均等法・労働施策総合推進法の各条文をもとにComaruが整理。個別の表現がどれに当たるか迷ったら、公開前に人の目でもう一度確認するのが安全です。

マル

タイガー

マル

タイガー
Comaruの実務ではこう判断している
一次情報がここまで明確にある論点でも、実際の求人文をどう直すかは会社ごとの判断になります。Comaruでは、AIに求人票の下書きを作らせること自体は止めていません。ただし公開前に、必ず人の目で①性別を条件にした表現がないか②年齢を条件にした表現がないか③実態と違う誇張がないか④6情報が揃っているか、の4点をチェックしてから出す、という順番を守っています。

マル

タイガー
判断に迷う個別の表現(この業界特有の言い回しが誤解を生むかどうか、など)は、社会保険労務士などの専門家に確認する前提で、まずは出さない選択を優先しています。
求人票を出す前の優先順位
- 性別・年齢を条件にした表現がないか、まず疑う
- 数字や制度名が入った一文は、実態と必ず照らし合わせる
- 6情報(氏名・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金)が揃っているか確認する
- 迷ったら出さない。専門家への確認はそのあとでも間に合う
まとめ:AIの文章力と、法律の線引きは別物
ChatGPTが書く求人文は、読みやすさや訴求力という点では十分に実用的です。ただし、AIは「魅力的に書く」ことは得意でも、「その表現が法律の線を越えていないか」までは判断してくれません。性別・年齢を条件にする表現、実態と違う誇張、そして会社名や賃金といった6つの必須情報の欠落——この4点は、公開前に人の目で確認する以外に確実な防ぎ方がありません。
チャートで一つでも「NG」に当たった場合は、その部分だけ書き直せば済むことがほとんどです。全部を作り直す必要はなく、該当する表現を差し替えて6情報を足すだけで、法律上の線引きはクリアできます。まずは今出している求人票を、この4つの質問に当てはめてみてください。
AIの下書きを社外に出す前の確認という観点では、ChatGPTの答えをそのまま出すとどんなリスクがあるかや、応募者の個人情報の扱いに関わる論点は個人情報保護法とAIの入力もあわせてご覧ください。AI導入をこれから始める方は中小企業のAI活用、何から始めればいい?、すでに使っていてつまずきを感じる方は中小企業のAI導入が失敗する5つの理由も参考になります。
30分無料相談では、実際に出そうとしている求人票を見ながら、どの表現が線引きに引っかかりそうか、どこを直せば安全側に寄せられるかを一緒に確認できます。判断に迷ったまま公開するのが不安な方は、お気軽にご相談ください。
参考(一次情報):厚生労働省 労働者の募集広告には「募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先(電話番号等)・業務内容・就業場所・賃金」の表示が必要です/e-Gov法令検索 職業安定法/e-Gov法令検索 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律/e-Gov法令検索 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
※本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の求人表現が法律に抵触するかどうかの判断は、実際の業務内容や状況によって異なるため、社会保険労務士など専門家にご確認のうえで対応してください。制度・法令は改定されることがあるため、実際の運用にあたっては最新の公表情報をご確認ください。
この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。
