こんにちは、コマルです。AIを仕事で使い始めると、わりと早い段階でこの壁にぶつかります。「上限に達しました」「今月の使用量が思ったより多い」——やっている作業は先月と変わらないのに、使用量だけが増えていく。
原因は、たいてい作業の量ではありません。AIに毎回どれだけの文章を渡しているかです。ここは意識するかどうかで数倍変わるところなのに、あまり語られません。今日はその仕組みと、実際にコマルが使っている「捨てる基準」を、物知り猫のタイガーと好奇心旺盛なマルの会話で整理します。

マル

タイガー
1. 使用量は「作業の量」ではなく「渡した文章の量」で決まる
AIは、こちらが送った文章を全部読んでから答えを返します。このとき数えられているのは、送った文章と、返ってきた文章の両方です。
1回のやりとりで数えられるもの
意識されにくいのは2つめです。短い質問をしたつもりでも、 それまでのやりとりが一緒に送られています。

マル

タイガー
ここが直感とズレるところです。多くの人は「短い質問をしたから軽いはず」と思っています。でも実際には、その質問の前に積み上がった会話がまるごと一緒に送られていることがほとんどです。
ここまでのまとめ
- 数えられるのは「送った文章+返ってきた文章」の両方
- 質問の長さより、一緒に送られている文章の総量が効く
- 短い質問でも「重い1回」になりうる
2. 増える犯人は、毎回積み上がる会話履歴
AIは、前回の話をそのまま覚えているわけではありません。「記憶」をうたう機能を持つサービスもありますが、あれも別に保存しておいた情報を毎回渡し直している仕組みです。同じ会話を続けているように見えるのは、毎回、それまでのやりとりを全部読み直させているからです。この「毎回渡している一式」を、コンテキスト(=文脈)と呼びます。
同じ質問でも、後半ほど重くなります。積み木の数はイメージで、 実際に何回で増えるかは使い方によって変わります。

マル

タイガー

マル

タイガー
ここが大事なところです。文脈を減らすのは、単に節約のためではありません。関係ない情報を渡さないほうが、返ってくる答えも良くなる。節約と品質が同じ方向を向いている、めずらしい種類の改善です。
ここまでのまとめ
- AIは前回を覚えていない。毎回、履歴を全部読み直させている
- 会話が長くなるほど1回あたりが重くなる(同じ質問でも後半ほど重い)
- 終わった話が混ざると、使用量だけでなく答えの質も落ちる
3. 捨てる基準——3つだけ
では何を捨てればいいのか。コマルが実際に使っている判断は、3つに絞れます。
① 用件が変わったら、会話を分ける
いちばん効くのがこれです。「さっきの件は終わった」と思ったら、新しい会話を始める。それだけで、積み上がった履歴をまるごと置いていけます。

マル

タイガー
② 資料は「必要な章だけ」渡す
長い資料を丸ごと貼りつけたくなりますが、たいていは一部しか使いません。先に自分で読む範囲を決めてから渡すと、量は大きく減ります。

マル

タイガー
③ 長くなった会話は、要点を書き出して引き継ぐ
どうしても長引く相談は、途中で「ここまでの決定事項を箇条書きにして」と頼み、その箇条書きを持って新しい会話を始めます。履歴そのものではなく、履歴から絞った結論だけを持ち越すわけです。
捨てる(過程)
- ・終わった用件のやりとり
- ・使わなかった資料の全文
- ・試行錯誤の途中経過
- ・言い直しの繰り返し
残す(前提・制約・基準)
- ・誰に向けたものかという前提
- ・守るべきルール・文字数
- ・何をもって良しとするかの基準
- ・決まったことの箇条書き
ここまでのまとめ
- ① 用件が変わったら会話を分ける。前提は短いメモを貼り直す
- ② 資料は必要な章だけ渡す。何度も使うなら要約を作って使い回す
- ③ 長い会話は「決定事項の箇条書き」だけを新しい会話へ持ち越す
4. 逆に、捨ててはいけないもの
節約に振りすぎると、今度は答えの質が落ちます。削ってはいけないものもはっきりしています。
- 前提——誰に向けたものか、どんな商売か。ここを削ると、一般論しか返ってきません
- 制約——使ってはいけない言い回し、守るべきルール、文字数。削ると毎回直す羽目になります
- 判断の基準——何をもって良しとするか。削ると「それらしいけど違う」が量産されます

マル

タイガー
短いメモにまとめて毎回貼る形にしておくと、会話を切り替えるハードルも下がります。この「頼み方を型にして残す」という発想は、AIへの「任せ方」を設計するでも書いた考え方と同じものです。
ここまでのまとめ
- 捨てていいのは「過程」(終わったやりとり・使わない資料)
- 残すのは「前提・制約・判断の基準」
- 残す側を短いメモにしておくと、会話の切り替えが楽になる
まとめ
- AIの使用量は作業の量ではなく、毎回渡している文章の総量で決まる
- いちばん大きいのは会話履歴。長く続けるほど1回が重くなる
- 減らし方は3つ——用件で会話を分ける/資料は必要な章だけ/決定事項だけ持ち越す
- 捨てるのは過程、残すのは前提・制約・判断の基準
- 文脈を絞ると、使用量が減るだけでなく答えの質も上がる
これは小さな工夫に見えて、毎日AIを使う人ほど効いてきます。コマル自身、仕事のほとんどをAIと分担して回しているので、この「渡しすぎない」判断は日常的にやっていることです。その全体像はAIで分身を持つに書きました。まだAIを使い始めたばかりなら、中小企業のAI活用、何から始めればいい?から読むのがおすすめです。社内で使うときのルールづくりは小さな会社の生成AI利用ルールにひな形を置いています。
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この記事は、みなさんの“困る”を解決する猫の手「コマル」がお届けしました。 「うちの場合はどうなる?」は 30分無料相談 でどうぞ。
